調査結果をフル活用する報告形式
三層で活用する
報告(及び分析)は三層に分けて検討実施すべきであると考えます。
その目的と分析・報告すべき内容を以下に記します。
経営・部門長クラス
目的 | 分析・報告内容 |
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全社共通問題・課題の発見 問題部署の発見 |
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組織長クラス
目的 | 分析・報告内容 |
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組織長のマネジメントスタイルの振り返りへ活用 現場発の組織開発プロセスへ活用 |
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全従業員向け
目的 | 分析・報告内容 |
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フィードバック 経営からのメッセージ伝達 |
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分析結果の報告資料も、上記、「分析・報告内容」で触れているように、三層では別にすべきです。
経営トップ向けには、細かいデータを見せるのではなく「要は何がわかったのか」、それは、「特徴か問題か」、また、「全社的課題は何で、その原因は」、「今後の対応案」といった内容が明確になっているとよいでしょう(データは別添資料として添付)。
一方、全従業員へのフィードバックは、わかりやすさを心がけ、主要な結果のデータと、その解釈を丁寧に伝えてあげましょう。
更に、経営層が今回の調査結果をどう受け止めて、それに対して今後どのような対応を考えているのかも伝えてあげるとよいでしょう。
「自分たちの声が経営に伝わった」、「経営が応えてくれた」といった感覚を与え、経営層と従業員の信頼感を醸成することができます。
早いフィードバックと慎重なフィードバック
結果の報告は、上で述べたように三層に分けて報告資料を用意し、すみやかにフィードバックすることが重要です。
順序としては、経営トップ向け/部門長向け→組織長向け→全従業員向け。
タイミングは、調査を実施したことの記憶が薄れる前で、可能であれば、1~2ヶ月以内が理想です。
私どもの経験では、全従業員への公開に関して企業の中には大きく二つの考え方があるようです。
一つは「結果だけをすぐ公開するよりも、そこで指摘されている問題に対してきちんと組織としての打ち手を考えて、セットで公開しなければ無責任である。だから慎重に」という考え方です。
もう一つは「熱が冷めないうちに、早く結果のフィードバックを行なうべきである」というものです。
あなたは、どちらが正しいと思いますか?
両者とも一理あると思います。
しかし、前者の場合、問題の検証や打ち手の検討に、もし3~6ヶ月かかるのであれば、少しタイミングが遅いと思われます。大事なことは、打ち手の内容もそうですが、まず「発見された問題に対して手を打とうとしている」という事実だと思います。
ですから、打ち手が明確になる前であっても、「ここで明らかになった問題について検討する」、「何らかの対策を打つことを検討中」といったメッセージがあれば、それで十分です。
そして、熱が冷めない内にフィードバックを行なうことが重要だと考えます。