調査を150%フル活用する動的な使い方

動的な使い方とは

「調査に静的・動的なものがあるのか?」と、お思いの方も多いかもしれません。

これは私たちの造語になります。「静的」とは、現状把握を目的とした使い方のことを指しています。

一方、「動的」というのは、調査のプロセスを通じて、情報やメッセージを発信したり、意識改革や組織変革に向けた手を打つ事を指しています。

例えば、調査を通じて経営トップ層が伝えたいことを伝え、従業員に振り返ってもらう「ストーリーテラー型」調査の実施や、診断・調査自体を一つのプロジェクトと捉えて実施する「プロジェクト型」があります。

また、実施の前後にある種の仕掛けをつくって動的に使う方法もあります。

せっかく調査を実施するのであれば、是非、これらの方法も知った上で、フルに活用していただきたいと考えています。

主な三つの方法を紹介したいと思います。

「ストーリーテラー型」・・・調査を通じて施策の浸透・定着を図る

ストーリーテラー型調査とは、会社として取組んできた方針や施策について問う設問を設置することで、「会社の取り組みを振り返ってもらう」「内容を再認識してもらう」「背景や意図をきちんと伝える」といった効果を狙うものです。

これまでの取り組みをストーリーとして語りかけます。

また、上司の行動についての設問などでは、「上司はこうあるべき」といった設問を設置することで、アンケートに答えながら、あるべき行動規範を意識してもらうといった使い方も可能です。

「プロジェクト型」・・・変革プロジェクトの一環に位置づける

「プロジェクト型」とは、組織横断的なメンバーから構成されるプロジェクトチームを作り、そこが主体となって調査から改革案の策定までを担当・実施するものです。

全社的な改革活動の他、M&A等組織同士の統合や、新しい経営ビジョンの浸透等の手段としても活用可能です。

調査を受ける従業員の見方も変わります。

「人事部等が実施するお仕着せの調査」ではなく、「自分達の代表も参加しているES活動プロジェクトの調査」となり、より能動的に捉えて取組むことでしょう。

また、問題の把握や検証型の調査の場合、現場の声を反映させながら設計できるので、設計精度の向上も期待できます。

結果の解釈や分析についても同様の効果が期待できます。

調査を始める前に実施できること・・・「事前予測による意識向上と気付き促進」

調査実施前に実施できる仕掛けもあります。
その一つが「事前予測」です。

事前予測を実施する事で、部門長や組織長クラスの方の意識変革を強く促す効果が期待できます。

部門長や組織長クラスの方に、調査アウトプットの代表的な結果や指標について、予測とその理由について考えて頂きます。

事前予測を実施することで、予測と実態のギャップにマネジメント上の課題が明確に出てきます。

組織を運営する部門長・組織長にとって下手な研修やフィードバックを行なうよりも、より強いインパクトとコミットメントを与えることが可能になるでしょう。

事前予測を仕組みとしてうまく使うことにより、組織をもつ方のマネジメントスキルの振り返りと検証を促し、マネジメントスキルの精度向上に強く貢献することができます。

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